無題

前回の記事から200日余りが経過。ご無沙汰しております。あ、ごめんなさい。これは後編記事ではありません。


何だかんだで毎日コンスタントに各所からアクセスを頂いております。先日ブログカウンターを覗いてみたのですが、この約1年で当ブログ、2万ヒット越えを記録していました。正直自分でも驚きです。



いつの間にかCSMファイズアクセルも発売され……BGM機能すごいやコレ。無限にボタン押しちゃうもの。

後編記事に載せるための劇中音声一覧を作っている最中でCSMファイズギアの到着時期を迎えてしまい『ああ、もうタイムアウトかなあ……』なんて思っていたら、あれよあれよと時間だけが過ぎ。正直なところ、商品が出揃う前に記事を出したかったというのもあるため、CSMの仕様が全て判明している今、需要は無いかなと思ってすらいたのです。



半ば放置状態になっていますが。

まだ、需要あります………かね?

CSM版発売決定記念『徹底検証ファイズギア』【番外編】雑記あれこれ


ご無沙汰しております。

さて、前回の「CSM版発売決定記念『徹底検証ファイズギア』【中編】」から2ヶ月ほど間が空いてしまいました。

おかげさまで、この記事【前編】【中編】と二つ続けて(特に中編)多くのアクセス数と反響を頂いております。CSMファイズギアを購入予定のファンの皆様に果たして需要があったかどうかは分かりませんが、更新の無い間も毎日それなりの数のアクセスが来ており、ファン層からのCSMファイズギアへの関心の強さを日々実感しております(自分の事みたいだなこれ)。

【後編】の記事についてですが、結論から申し上げますとまだ執筆が終わっておりません。と言うのも、本編中のファイズギア音声確認作業がなかなか終わらないのもあるのですが、5月某日に解禁・更新されたCSMファイズギアの受注ページに於ける『新規音声収録』の情報解禁や、「デジモノステーション」様による先行レビュー動画の公開に基づいて色々と文章に修正を加えていった結果、これがなかなか纏まらない……というのが正直なところです。


と言う訳で、今回は"番外編"といたしまして「現状出ている情報」にざっくりコメントを。後編の記事につきましては、今暫くお待ち頂ければと思います。



▼先行レビュー動画を観ての率直な感想

【レビュー】“大人向けライダーベルト”の真骨頂! 仮面ライダー555『CSMファイズギア』驚異のハイテクギミックを体験してみた – DIGIMONO!(デジモノ!) http://www.digimonostation.jp/0000065550/

さて、この『デジモノステーション』様。
本来はデジタルグッズ(家電やパソコン、携帯電話やゲーム機)などに焦点を当てた記事を公開されているサイトさんなのですが、デジモノが関連するサブカル関係のモノも記事として取り扱う傾向があるようで、過去にもプレミアムバンダイ&Amazon.co.jp限定受注商品の「仮面ライダーアマゾンズ DXアマゾンズドライバー」の先行レビュー動画&記事をアップロードされ話題を集めるなど、「バンダイとの協力体制を敷いた上での先行レビュー記事」という新しい試みがなされました。

とは言っても、変身ベルト玩具の先行レビュー記事は前述の「DXアマゾンズドライバー」が初のようであり、ファイズギア関連の先行レビュー記事が来るとは予想外でした。
それに伴い動画も公開され、更新日にはTwitterFacebook等のSNS上で瞬く間に注目を集めました。


さて、肝心のレビュー動画を観ての感想なのですが………。求めすぎなのかもしれませんが、どうにも「次第点」という印象を持ちました。過去の玩具のリメイク版なので次第も何も無いような気がしますけどね。ワイヤレス機構や新機能の追加点など、魅力的な部分はたくさんあるのですが、それ故に目に付くところが度々見られる、といったところでしょうか。

気になった箇所を列挙していくと、

▼変身音が従来のものと同じ→劇中でも瞬間的に変身するなど様々なバリエーションがあるので一概に言う事は出来ませんが、フォトンブラッドが伸びて全身を包み一瞬フラッシュするような音の追加が無かったのは少し残念。

ファイズフォンの画面発光LEDが赤、且つLEDが単体発光しているの目立つ→劇中では一項目一項目が全体的に、白っぽく光っていた気が。動画での確認の為、実際の商品ではもう少し違って見えるのかもしれませんが。

ファイズポインターの新規追加音声がどうにも惜しい→「フォン側の『エクシードチャージ』音声の前に「ピピッ!」音が追加されたり、エネルギーがフォトンブラッドを伝って流れていく音がフォン側から流れフェードアウト〜ポインター側からフェードイン」は素晴らしいと思うのですが、その後に追加されたであろう「Φ」の文字の出現音声がどうにも不明瞭。さらに、「ピピピピピピ………」という待機音の後に爆発音、という流れがDX版ポインターと同様なのがとても惜しい。ファン的にはやはり、あの赤い円錐の射出音〜展開音が欲しかったところ。

ファイズショットの待機音変わってない?問題→これはDX版ショットのグリップ横にあるスイッチを長押しする事で発動するエクシードチャージ後の「ピー……ピー……ピー…ピー…ピピピピピピピピピピピピ」という待機音のこと。元々DX版でちゃんと劇中を再現できていたので変更すべき箇所ではなかった筈なのですが、先行レビュー動画を観る限り……微妙に変化しているような。最後の「Φ」文字が浮かび上がる音はポインター同様追加されていますが、こちらはポインターよりも明瞭に聴こえます。この追加点はグッジョブ。

▼変身解除音の有無→現状表に出ている情報からは確認できない。未収録か?

▼変身エラー音&着信音の有無→どうやらこれも未収録の模様。うーーーーむ………



以上が気になった点。先程も書いたのですが、様々な新規ギミック&音声が追加されて旧CS版の上位互換とも呼ぶべき仕様に進化しているだけに、やはり詰めがところどころ甘いのが目立ちます。あまり表に上がっていない話題ですが、先行レビューを確認したファンからの問い合わせで効果音間違いの指摘を受け「製品版で修正する」と回答した事案も最近あったようで、本当に作品に造詣の深いスタッフが製作に関わっているのかどうか頭を抱えたくなるハナシですね………。

エラー音や着信音の追加、なんてものの要望は贅沢なのかもしれません。しかし、5月某日に解禁とアナウンスされていた新規音声の正体が「キャスト本人を呼んでの「30種類のボイスを収録」」だけだったのはハッキリ言って少し肩透かしでした。勿論キャストボイスはとても嬉しい追加仕様ですし、ファン的には堪らないものだと思います。筆者もそうです。

ただ、これだけの拘りをバンダイが自負しているのにも関わらず詰めの甘さが見えてくるのは「もう少し頑張ってくれ」としか言いようがありません。

ここまで筆者が厳しめに言及するのには理由があります。それは「そう何度も発売されるような仕様の安価な玩具ではない」からに他なりません。今回のCSM版発売ですら、旧CS版の発売から実に12年越しに実現したものでした。そもそも変身ベルトの数回に渡る大人用リメイク版発売というのが異例なことなのです。それ故に、やはり現代の技術で出来るだけの事をやって、そこに詰め込んでほしいわけです。発売されるその度に何かしら不完全な箇所があり、また数年後にリメイク、という流れはファンからはあまり良い印象を持たれないはずです。ましてこのファイズギア、もう今後の発売などは一度あるかないかでしょう。ほぼ無いと言ってもいいはずです。それだけに、やはり劇中の再現に尽力してほしかった、と言わざるを得ません。


色々と気になる点が出てきたCSMファイズギアですが、この辺はバンダイ商品の宿命とも言えるところなので今さら気にしても仕方のない事なのかもしれません。決して筆者はこれに対してマイナスイメージだけを持って延々と語っているわけではなく、むしろファイズギアの到着を今か今かと待ち侘びているところです。
思い入れが強いだけに言及する点が多く出てきましたが、きっと商品の到着当日はガチャガチャと子供のように目を輝かせて遊んでいる事でしょう。やっぱり現物を手にした時の情熱が勝っちゃうんだろうなと思っています。その方がたぶん素敵かもしれない。(何だこの締め方)


纏まりのない文章ですが、これにて番外編の記事を締め括らせていただきます。

改めまして、後編の記事については今暫くお待ち頂ければと思います。


それでは。

CSM版発売決定記念『徹底検証ファイズギア』【中編】〜劇中プロップの網羅及び玩具版の徹底比較

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前編のリンクはこちら


さて、中編。ここからが本題だ。

ファイズギアが改めてリメイクされるに当たっての全体的な仕様はどうなるのだろうか。と言うのも、「555」本編に登場したファイズギアの劇中プロップ(撮影用小道具)は数種類存在し、微妙にビジュアルが異なる部分もある。

さらに劇中を通しての効果音なども一部が回ごとに微妙に変わっていたりと、やや安定しない部分もあった。その他のギミック等も含め『劇中の演出をどう再現するのか』がファイズギアCSM化に当たっての重要なファクターとなってくる。既に4月22日、プレミアムバンダイの受注ページにて商品仕様が公開されたが、現物が購入層の手元に到着するまでは未知数の部分も少なからずある。

そこで今回の記事【中編】では、『555』本編に登場したファイズギアの劇中プロップ、その種類を映像上で確認できるだけ網羅し、当時の玩具の仕様と照らし合わせながら掘り返していく。

素人見解ではあるが、CSMファイズギア購入予定層の方々の指針になれば幸いだ。

なお、収録音声面については今後更新予定の【後編】の記事にて取り扱う。


▼⑴ミッションメモリー

各ガジェットを戦闘用にモード変更する為のメモリーカード、そしてファイズギアの"顔"と呼んでも過言ではないツール。これには(恐らく)3種類のプロップが存在する。

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《劇中プロップ》
①「変身ベルト DXファイズドライバー」付属の物をそのまま撮影用にリペイントしているもの。
劇中ではギアケースに収まっているカットや、ケースから取り出すシーン辺りなど、主に変身前のシーンで使用されている。

②基本プロップ。
撮影用に造形された立体型のもの。複眼部分にクリアイエローのパーツが使用されていたり、メモリー部はクリアパーツが使用されているなど、様々な差異が見受けられる。前者との違いは一目瞭然だ。こちらは主に変身後、戦闘中のシーンに使用されている。このバージョンがギアケースに収まっていた事はない(と思われる)。
CS版では恐らく後者、変身後の方のプロップに似せて造形されていたと思われる。CSM版でもこちらのバージョンを踏襲しているようだ。

③DX金型(と思われる)改修版。
①のミッションメモリーと造形がほぼ同一のものだが、こちらは複眼部分がクリアイエローの素材に変更されている。木場がファイズに変身するシーンや終盤で巧がファイズフォンを使用し木場と電話をするシーン、第49話のクライマックスでファイズフォンを握る巧の手から灰が零れ落ちるシーンなどで確認できる。役者用のアップ用プロップだろうか。恐らくこのタイプのミッションメモリーだったと思うが、ごく一部の回のみでメモリー部の銀ライン造形が上下反転していた事もある。パーツの組み違えだろうか‥‥‥。(追記:「番組中盤から使用されたもの」と明記していましたが、後日再度初期のエピソードを観直していたら第2話で既に登場していました)



《玩具版》
DX玩具版は複眼部分の中身が斜めのダイカット造形になっており、また暗めのイエローの成型色のため劇中とは印象がやや異なる。複眼部分周りの赤いラインのセンター部分に配置されたモールドは未塗装。また、メモリー部分の表面に施された複雑な銀色の模様の造形も基本プロップと異なり細め、そして未塗装。

CS版は基本プロップを元に制作されているが、造形は似すぎず似なさすぎずのやや微妙なライン(主にファイズの顔を模した複眼部分)。メモリー部分に金属を使用しているため、重厚感のある反面色味が燻んだガンメタのようになっている。こちらも複眼周りのセンター部分のモールドは未塗装。

今回のCSM版ミッションメモリーは変身後の基本プロップを元に製作されているようだが、こちらはかなり劇中に近付いた造形となっている(欲を言えばメタリックレッド・メタリックイエローの塗装が少し明るい気もするが誤差の範囲か)。左の複眼部分に小さな穴が開いているようだが、これは恐らくCSM版に搭載されている新ギミック発動のためのものだろう。
公式受注ページで確認したところ、ファイズショットの正面レンズ部分には新規にLEDが搭載されているようだ。エクシードチャージを行うとレンズ部分から光が発されるようで、丁度そこに重なるミッションメモリーに施された穴を通して、複眼部分を光らせるのではないだろうか。

変身シーンではフォトンブラッドが装着者の全身を包んだあとミッションメモリー部が赤く光り輝くのだが、折角ならばこの新ギミックを利用して同じ技術で再現してほしかった‥と言うのは少しばかり贅沢だろうか(まあ、仮に再現するにしてもファイズフォンのど真ん中にLED用の穴をブチ空けなければならないし、本来有りもしない穴を開けてしまってはビジュアルを損なうのだが)。



▼(2)ファイズフォン

折り畳み式携帯電話型のツールであり、ファイズに変身するシステムの要。コードを入力する事で変身待機状態へ移行したり、他にも銃モードへの変形やマシンの呼出などが行える。もちろん電話・メールも可能であり、劇中ではこれを使用して通話する描写が度々見られた。なお、本編中でのメールの描写は受信画面が1カット映るに留まっている。


《劇中プロップ》
①DX玩具版の改造品。
アンテナ部分は銀色。こちらはミッションメモリー①と同じくギアケースに収まっている時など、主に変身前のカットで使用。テンキー上の「スマートブレイン」の立体ロゴが銀色。黒地のボタン類は電話ボタンが青、電話切り/電源ボタンが赤、それ以外は白が配色されているが回によっては全て白であったりと、描写にバラつきがある。

②基本プロップ。
変身後のもの。①よりもサイズがひと回り・ふた回り大きい。テンキー上のスマートブレインロゴは黒であり、造形ではなく印刷処理。また、画面発光のギミックがあり、フォン内部に仕込まれた電球によって任意の部分が光る。(劇中での画面の発光描写についてはCGで光らせていた事の方が多かったかもしれない)


③基本プロップその2。こちらは変身後に使用していた、フォンを折り曲げて変形させた銃モード「フォンブラスター」の固定モデル。銃としての印象を強くするためかアンテナが通常のプロップよりも太く、やや長い。フォンの上部もそれに応じて面長になっており、フォン下部も銃のグリップのように緩急のついた造形に変更されている。


《玩具版》
DX玩具は基本プロップよりもひと回り小さく、旧CS版は差別化の為にDX玩具版よりひと回り大きく作られている。
両者共にフォンブラスターモードで発砲する毎にアンテナが赤く発光するギミックがある為、アンテナは銀色ではなくスモーククリアのパーツである。CSM版ではアルミ素材で銀のアンテナを再現しているようだが、発光ギミックは健在のようだ。

本体の発光ギミックとしてもうひとつ、アンテナの他にもフォン上部の左右が赤く光るが、この部分は劇中の変身シーンでは一切光っていなかった(と思う)。恐らく玩具としての演出だろう。夜間発光スーツでは光っていたと思う。CSM版で発光するかは現時点では不明である。

テンキー上のスマートブレインロゴは造形が入っており銀色。①のフォンに準拠する。

フォンの最上部と最下部にそれぞれ折り畳み固定用の出っ張りと穴があるが、こちらは玩具独自のもので、劇中ではこの折り畳み固定部はなく普通の携帯電話のように受話部・マイク部としてスピーカーのような造形が施されている。

ちなみに、玩具版のファイズフォンが撮影で使用されていたのは前述の通りだが、撮影用の改造も施されず玩具そのままの状態で使用された事もあった(第7話のAパート序盤など)。

▼劇中では入力コードに合わせて画面の各項目が発光する描写がなされていたが、玩具版では未実装であった。だが、CSM版では待望の画面発光ギミックが追加が発表された。劇中と同じくそれぞれの入力コードに反応して『555 ENTER』などの各項目が光るようだ。

更に、CSM版では新たなるギミックとして無線機能が追加されるとの事だ。詳しくは下部の「(4)ファイズポインターファイズショット」にて触れる。
音声ギミックにも追加があるようで、こちらは2016年5月20日にプレミアムバンダイの受注ページにて追加仕様の詳細が発表されるようだが、これは【後編】の記事で触れる事にする。



▼(3)ファイズドライバー

いわゆる「変身ベルト」。ファイズフォンをドライバー中心部にインサートする事により仮面ライダーファイズへの変身が可能となる。両サイドバックルへ各種派生ギアを装備できる。


《劇中プロップ》
①ギアボックスに収められているタイプ。
シーン毎のカット割りで勘違いしがちだが、このタイプは恐らく腰に装着できないと思われる。と言うのも、劇中で使われているギアボックスは市販のものが使用されており上部が丸々ドライバーを収めるスペースになっているのだが、その厚さはかなり薄い。そのため、両側のベルト部が折り重なり一枚の板のようになっている。「ケースに収まっている状態」〜「ケースから取り出す」までのシーンを再現するための固定モデルと云うワケだ。劇中でこのタイプのドライバーをケースから外し単体で持っていた描写も存在するが、とても腰に装着できるように作られているようには見えない。

余談だが、劇中モデルのギアボックスに玩具版のファイズドライバーを収めると経年劣化と共にベルト部が割れてしまう事案がいくつもファンの間で報告されている。CS版は革のベルトにウエストに合わせた数の蛇腹パーツを装着する形で対応しているが、これもギアボックスからすぐに取り出して変身遊びーーーというワケにはいかないだろう。なんせ革である。CSM版の素材は新規の軟質素材(?)のようだが、これからギアボックスに収めようと考えている方はアジャスターごと外して保管していた方が吉かもしれない。収納方法にもよるが、劇中通りにベルト部を曲げて収めるとどのモデルでもいずれ劣化してくると思われる。

②基本プロップ。
これは変身ポーズ以降から変身後に使われるもの。別個体でアクションシーンに使用されているものも恐らく同様だろう。当たり前だが装着可能。第1話で園田真理が装着しているシーンを観る限り、役者が着けるに映えるサイズであるためか相当に大きい。


《玩具版》
DX玩具版、CS版共にファイズフォンのインサ
ート部の縁が銀色に塗られていない。全体の銀塗装部のモールドはスミ入れなし。 

また、ドライバー右上の部分はモールドに水色のラインが2本入っている(設定上は「強制リリーススイッチ」と呼ぶらしい)がこれも玩具版では未塗装。なんとCSM版でも未塗装である。ここはあまり目にしない部分なのである意味拘りの領域とも言えるだろう。(事実、ファンが玩具版にスミ入れを施した写真などが多くネットにアップされているがこの箇所まで塗装を施した例はあまり見られない。あくまで筆者の主観であるが)

バックル部の素材はDX玩具がプラ製、CS版は金属製。後者は発売の際に話題を呼んだ大人用リメイク版変身ベルト玩具の革新的要素のひとつであり、約1kgの重量を誇ると云うのだから驚きだ。前編の記事で触れたように僅かだがデメリットもあるが、やはりその重量感は"本物感"をファンに伝えるために一役買ったに違いない。

両ベルト部は前述の通りDX玩具版が軟質素材、CS版は革製のベルトに蛇腹パーツを個々のウエストに合わせ装着する。劇中に近いのは前者で、後者は大人に合わせたウエスト調節用の策であるがこちらは多少劇中のビジュアルからは遠ざかってしまった。CSM版ではDX版とは異なる軟質素材(?)にアジャスターを通す仕組み。これまでの玩具で一番劇中に近いビジュアルだろう。

CSM版には新たな追加ギミックとして、バックル両サイドの赤い部分がLEDにより発光する。劇中では変身シーンでフォトンブラッドの生成と共に光っているので嬉しい再現だ(なお回によっては光っていない時もあったと記憶している)。こちらも、欲を言うならばそのLEDの光をバックル左右の上下部分まで赤い光を通すようにしてフォトンブラッドか発生する瞬間を再現してほしかったのだが、これも再現しようとするなら実際の設定ではありもしない穴が開く事になるため、まあ仕方ない範囲ではある。




ファイズポインター」は懐中電灯型のガジェット。ミッションメモリーを装填し右足のユニットに装着する事で必殺技「クリムゾンスマッシュ」を放つためのキック用武器となる。
フォンブラスターモードに変形させたファイズフォンに装着する事も可能であるが、この形態を劇中で使用した事は一度もなく、本編の予告編やオープニング映像に映るのみに留まっている。CSM版の受注ページを見る限り再現は出来るようだ。

ファイズショット」はデジタルカメラ型のガジェットで、こちらもミッションメモリーを装填し右手に装着する事で必殺技「グランインパクト」を放つためのパンチ用武器となる。余談だが撮影現場では「デジカメパンチ」と呼ばれていたとか何とか。


《劇中プロップ》
ポインター、ショット共に「ギアボックスに収められている時」までは玩具版が使われているようだ(本編の数カットと関連書籍参考)。

ポインターはサイズやディティール、塗装以外で細かい差異は見受けられないように見える。無論、基本プロップの方が大きい。アクションシーン(サイドバックル装着のまま)とアップの撮影に耐えるギミック用、そして玩具改造版の推定3つが使われていると思われる。


ショットも同じく推定3つのプロップが使われていると思われる。こちらの方は割と差異が顕著に表れている(例えば、中心カメラレンズ部分の周り。劇中プロップでは四角いモールドが彫られているが、ギアボックスに収められている方は玩具改造版なので丸いモールドのまま)


《玩具版》
DX玩具版はライト・サウンドギミックが搭載されているがCS版では削除されている。 

DX版ポインターは先端部分の塗装がメッキ処理されている。CS版では銀塗装。

ショットは多少ではあるが造形の差異が見られ、DX版ではスマートブレインのロゴがやや横に潰れていたりする。CS版では何故かシャッターフラッシュ部分から右横部分に伸びるクリアパーツがスモーククリアに変更されていた。この変更は一部から顰蹙を買ったとも聞く。

また、DX版に付属していたポインター用のレッグホルダーはCS版には未付属。ショット用のケースは両者共に付属しているが、DX版は黒の成型色。

CSM版では上で少しだけ触れたように、新ギミックとして無線機能によるファイズフォンとの連動機能が追加される(!)との事で、こちらも期待したいポイントのひとつだ。



▼以上が筆者の出来る限りの範囲で行った、ファイズギアの劇中プロップと玩具版の徹底比較だ。記事の題名に据えておいて検証と呼ぶには少し違う味の記事になってしまったが、『ファイズ』の劇中において非常に多い種類の小道具が登場している事がお分かり頂けたのではないだろうか。

あくまでも筆者個人の行った検証故、ここに記した項目には事実と多少異なる点も存在するかもしれないが、もしこのブログの読者様の中にご指摘くださる方が居れば是非ともコメント欄で御教授頂ければと思う。

なお、今回はあくまでCSM版にラインナップされている項目からの検証の為、ファイズエッジ・ファイズアクセル・ファイズブラスターは検証項目から省いているがご容赦願いたい。


さて、次回【後編】では「徹底検証ファイズギア」企画のラストとして各ガジェットの音声面に触れる。そしてCSM版の公式ページ情報を元に(大したことではないが)総括を行う。ファイズフォンの追加ギミックが解禁される5月20日以降の更新を予定している。


それでは、後編の記事で。



(当記事には後日、各項目への画像追加を予定しています)

CSM版発売決定記念『徹底検証ファイズギア』【前編】〜玩具版ファイズギアの歴史を振り返る

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▼はじめに



バンダイから、仮面ライダーの"大人用"変身ベルト玩具『COMPLETE SELECTION MODIFICATION(コンプリートセレクション・モディフィケーション)』というシリーズ(以下、CSM)が展開されている。
(公式サイト: http://www.b-boys.jp/csm/ )

これは、平成仮面ライダー作品の放送時に発売されていた従来のDX変身ベルト玩具に重塗装や音声の追加、さらにアジャスターを用いたベルト部の延長や使用素材の変更などを施した、まさにキャッチコピー通りの「大人の為の変身ベルト」玩具である。

2009年放送の「仮面ライダーW」のDX玩具版変身ベルトのリメイクを第一弾とし、時には強化フォーム用の変身アイテムもリメイクされるなどこれまで様々なライダーの商品が次々に世に送り出され、現在までに第10弾を数えるに至った今シリーズだが、2016年2月19日ーーーCSM新作がついにそのベールを脱いだ。それが、CSM第11弾『ファイズギア』である。当ブログではこれについての記事を前編、中編、後編の3つに分けて語っていく。


当記事を読んでいる方々は恐らく平成仮面ライダーファンが多数を占めると思われるのでもはや説明不要な気もするのだが、それはそれで不親切な気もするので一応、ここに記しておく事とする。

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▼『ファイズギア』とは、2003年〜2004年に放送された『仮面ライダー555(ファイズ)』に登場する主人公が変身する際に使用する変身ベルト、またその周辺武器の総称である。

当時としては斬新な電化製品モチーフの変身アイテムであり、変身に使うアイテムも折り畳み式携帯電話(!)、所謂「ガラケー」モチーフである。そのシークエンスも、特定のコードを携帯電話に入力して変身ベルトに差し込むと変身が完了する……というかなりぶっ飛んだものであった。

これ以外にも、必殺技用に使う為の道具が懐中電灯やデジカメモチーフであったりと、その斬新さは書き出せばキリがない。文字に起こすとイマイチ伝わり辛い気もするのだが、劇中ではそれらのツール仮面ライダーが極めてスタイリッシュに使用しており、そのモチーフの斬新さを補って余りある格好良さが映像上で随所に描写され、これらの関連玩具はいずれも大ヒットを飛ばした。

特に主力玩具である『変身ベルト DXファイズドライバー』は高水準の売り上げを記録しており、それは6年後に放送された「仮面ライダーW」の変身ベルト玩具 「DXダブルドライバー」に塗り替えられるまで歴代最高の売り上げ記録を保ち続けていた。

その「ファイズギア」が、作品の本放送から約12年経過した今年度、満を持してのリメイクとなる。


▼CSMファイズギアに集まる期待

ファンには周知の事実かもしれないが、『ファイズギア』の大人向けリメイク版の発売はは今回が初ではない。

そもそも、CSMシリーズ自体が大人向け変身ベルト玩具の祖ではない。この企画の前身として展開されていた『COMPLETE SELECTION(コンプリートセレクション』(以下、CS)が大人向け変身ベルト玩具として先陣を切ったのが始まりである。

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このCSシリーズは『番組放送当時に発売されたDX玩具版を元に一部仕様の変更や塗装の強化をしローコスト化を図る』CSMシリーズとはコンセプトが異なり、大人の身体に装着しても見劣りせぬよう金型を一から作り直し、サイズの大幅アップは勿論のこと、牛革やダイキャストをふんだんに使用していたりと、コストも基本的にはCSMの数倍掛かっている。"定価1万弱"となるべくロープライスを目標としているCSMと比べて、CSは定価3万円台がデフォルトとなっていた。

そして、その第一弾として「ファイズ」放送終了直後に発売されたのが『コンプリートセレクション ファイズギア』。平成仮面ライダー作品史上、初の変身ベルト玩具を大人向けにリメイクした商品なのだ。

この『CS版ファイズギア』は"定価約3万円"と、大人向けの枠を鑑みてもかなり高めの値段設定であった(後々それがデフォルトの値段設定になるのだが)が、商品仕様として全体的なサイズアップに加え、バックル部分には1kg強のダイキャストを使用し、随所に汚し塗装が施され、さらには細部のディティールアップにも力が入れられており、当時のアダルト層の「ファイズ」ファンからは相当な期待が集まっていたらしい。

………のだが、いざ蓋を開けてみるとその評価はお世辞にも高いとは言い難いものであった。いかんせんシリーズ第一弾という事もあり、製作側の試行錯誤が伺える面も勿論あるのだが、結果的にCS版ファイズギアは「賛否両論」の評価を生む事になってしまったのだ。


参考までに、賛否両論の「否」の部分についていくつか触れてみよう。

ます、バックル部に高級感のあるダイキャストを使用するまでは良いのだが、既にこの部分だけで製作コストが大幅に上がっていたようである。その皺寄せと言うべきか、遊んでいる途中にその重みでバックル部分が腰からずり下がってしまう……という事案もあったようだ。


また、ある意味ファイズギアの顔とも言うべき「ミッションメモリー」もハッキリ言ってあまりよろしいものではなかった。 
中心部分のモールドの塗装が省かれていたり、造形も劇中と比べるとイマイチ似ているのか似ていないのか微妙なラインなのだ。

ミッションメモリーについては変身前と変身後で異なる形の劇中プロップ(変身前がDX玩具版のリペイント、変身後は撮影用の立体造形がなされたもの)が使用されており、このCS版は恐らく後者の方を元にしたものと思われるが、それでも劇中のものと似ているかと言われると……微妙なところだ。

おまけに、メモリー部にも金属を使用したせいで重厚感こそ有るものの、それを差し込むファイズフォンが明るいシルバーで塗装されているため、明らかに金属部が色味的に浮いてしまっている。

また、リアル感を出す為に追加要素として施された『汚し塗装』もこれまた賛否が分かれている。ネット上では「雰囲気が出ていて格好良い」と云う意見もあれば「余計な事をしなくていいから綺麗な状態の塗装で販売してほしかった」と云う不満意見も見掛けた。これについては各々の好みの問題だろうか。



そして、どう頑張っても擁護できないのは付属の周辺武器だ。ファイズギアは、左右のサイドバックルに周辺武器=懐中電灯型のキック用ユニット「ファイズポインター」とデジカメ型パンチ用ユニット「ファイズショット」が装着されており、CS版でもこれを収録したのだが、驚く事にサウンドギミックもライトギミックも省略されてしまった。

放送当時のDX玩具版は劇中通りに鳴って光るギミックが搭載されていたので、当然CS版を購入したファンは箱を開けるまで、この機能は当たり前のごとく実装されているものと考えていた方が大勢だと思うのだが、値段設定に見合わない思わぬギミックの省略に憤慨したファンも多いと聞く。

唯一サウンド&ライトギミックが搭載されているファイズフォンも、DX版玩具の基板を丸々流用しているようで追加音声などは一切無く、音質の改善もされていない。


と、ここまで不満点をいくつか挙げてきたのだが、CS版ファイズギアは決して悪い点ばかりではない。子供用玩具とは明らかに差別化された大きなサイズや手にした者にしか分からない重厚感、そしてなによりも「大人向けの変身ベルト」のシリーズの礎を築いてくれた偉大なる功績がある。このCS版ファイズギアが無ければ以後のシリーズ、ひいてはCSMシリーズの企画も存在し得なかったと言っても過言ではないはずだ。

そして、十数年の時を経てCSMシリーズへのラインナップが決定した今作。大人向けの変身ベルト玩具が再リメイクされるのは極めて異例であり、ファイズギアへの幅広い層からの根強い人気が伺えるというものだ。満を持しての再リメイクだけに、旧大人向け版では出来なかったギミックの追加や仕様変更にファンからの期待が集まっている。

 
また、番外的な立ち位置の玩具として後年発売された『レジェンドライダー変身ベルトシリーズ 仮面ライダーファイズ』がある。これについては後の記事で触れるが、この商品は所謂「廉価版」であり、塗装や造形、サウンドギミックがある程度簡略化されている商品仕様のため、同列に語るのはあまり適切ではないだろう。



▼記事の締め方が少々粗雑であるが、ここまでは前置きに過ぎない。

次回の記事【中編】では、いよいよ本題に入る。題名通り、「555」本編で使用された『ファイズギア』の劇中プロップとその種類、及び玩具版との『徹底比較検証』を行う。

肝心のCSM版ファイズギアの情報解禁が2016年4月22日とすぐそこまで迫っているため、早めに記事を書き上げたい……ところ。