CSM版発売決定記念『徹底検証ファイズギア』【中編】〜劇中プロップの網羅及び玩具版の徹底比較

f:id:beniharusan5728:20160510210019j:image


前編のリンクはこちら


さて、中編。ここからが本題だ。

ファイズギアが改めてリメイクされるに当たっての全体的な仕様はどうなるのだろうか。と言うのも、「555」本編に登場したファイズギアの劇中プロップ(撮影用小道具)は数種類存在し、微妙にビジュアルが異なる部分もある。

さらに劇中を通しての効果音なども一部が回ごとに微妙に変わっていたりと、やや安定しない部分もあった。その他のギミック等も含め『劇中の演出をどう再現するのか』がファイズギアCSM化に当たっての重要なファクターとなってくる。既に4月22日、プレミアムバンダイの受注ページにて商品仕様が公開されたが、現物が購入層の手元に到着するまでは未知数の部分も少なからずある。

そこで今回の記事【中編】では、『555』本編に登場したファイズギアの劇中プロップ、その種類を映像上で確認できるだけ網羅し、当時の玩具の仕様と照らし合わせながら掘り返していく。

素人見解ではあるが、CSMファイズギア購入予定層の方々の指針になれば幸いだ。

なお、収録音声面については今後更新予定の【後編】の記事にて取り扱う。


▼⑴ミッションメモリー

各ガジェットを戦闘用にモード変更する為のメモリーカード、そしてファイズギアの"顔"と呼んでも過言ではないツール。これには(恐らく)3種類のプロップが存在する。

f:id:beniharusan5728:20160513114713j:image

《劇中プロップ》
①「変身ベルト DXファイズドライバー」付属の物をそのまま撮影用にリペイントしているもの。
劇中ではギアケースに収まっているカットや、ケースから取り出すシーン辺りなど、主に変身前のシーンで使用されている。

②基本プロップ。
撮影用に造形された立体型のもの。複眼部分にクリアイエローのパーツが使用されていたり、メモリー部はクリアパーツが使用されているなど、様々な差異が見受けられる。前者との違いは一目瞭然だ。こちらは主に変身後、戦闘中のシーンに使用されている。このバージョンがギアケースに収まっていた事はない(と思われる)。
CS版では恐らく後者、変身後の方のプロップに似せて造形されていたと思われる。CSM版でもこちらのバージョンを踏襲しているようだ。

③DX金型(と思われる)改修版。
①のミッションメモリーと造形がほぼ同一のものだが、こちらは複眼部分がクリアイエローの素材に変更されている。木場がファイズに変身するシーンや終盤で巧がファイズフォンを使用し木場と電話をするシーン、第49話のクライマックスでファイズフォンを握る巧の手から灰が零れ落ちるシーンなどで確認できる。役者用のアップ用プロップだろうか。恐らくこのタイプのミッションメモリーだったと思うが、ごく一部の回のみでメモリー部の銀ライン造形が上下反転していた事もある。パーツの組み違えだろうか‥‥‥。(追記:「番組中盤から使用されたもの」と明記していましたが、後日再度初期のエピソードを観直していたら第2話で既に登場していました)



《玩具版》
DX玩具版は複眼部分の中身が斜めのダイカット造形になっており、また暗めのイエローの成型色のため劇中とは印象がやや異なる。複眼部分周りの赤いラインのセンター部分に配置されたモールドは未塗装。また、メモリー部分の表面に施された複雑な銀色の模様の造形も基本プロップと異なり細め、そして未塗装。

CS版は基本プロップを元に制作されているが、造形は似すぎず似なさすぎずのやや微妙なライン(主にファイズの顔を模した複眼部分)。メモリー部分に金属を使用しているため、重厚感のある反面色味が燻んだガンメタのようになっている。こちらも複眼周りのセンター部分のモールドは未塗装。

今回のCSM版ミッションメモリーは変身後の基本プロップを元に製作されているようだが、こちらはかなり劇中に近付いた造形となっている(欲を言えばメタリックレッド・メタリックイエローの塗装が少し明るい気もするが誤差の範囲か)。左の複眼部分に小さな穴が開いているようだが、これは恐らくCSM版に搭載されている新ギミック発動のためのものだろう。
公式受注ページで確認したところ、ファイズショットの正面レンズ部分には新規にLEDが搭載されているようだ。エクシードチャージを行うとレンズ部分から光が発されるようで、丁度そこに重なるミッションメモリーに施された穴を通して、複眼部分を光らせるのではないだろうか。

変身シーンではフォトンブラッドが装着者の全身を包んだあとミッションメモリー部が赤く光り輝くのだが、折角ならばこの新ギミックを利用して同じ技術で再現してほしかった‥と言うのは少しばかり贅沢だろうか(まあ、仮に再現するにしてもファイズフォンのど真ん中にLED用の穴をブチ空けなければならないし、本来有りもしない穴を開けてしまってはビジュアルを損なうのだが)。



▼(2)ファイズフォン

折り畳み式携帯電話型のツールであり、ファイズに変身するシステムの要。コードを入力する事で変身待機状態へ移行したり、他にも銃モードへの変形やマシンの呼出などが行える。もちろん電話・メールも可能であり、劇中ではこれを使用して通話する描写が度々見られた。なお、本編中でのメールの描写は受信画面が1カット映るに留まっている。


《劇中プロップ》
①DX玩具版の改造品。
アンテナ部分は銀色。こちらはミッションメモリー①と同じくギアケースに収まっている時など、主に変身前のカットで使用。テンキー上の「スマートブレイン」の立体ロゴが銀色。黒地のボタン類は電話ボタンが青、電話切り/電源ボタンが赤、それ以外は白が配色されているが回によっては全て白であったりと、描写にバラつきがある。

②基本プロップ。
変身後のもの。①よりもサイズがひと回り・ふた回り大きい。テンキー上のスマートブレインロゴは黒であり、造形ではなく印刷処理。また、画面発光のギミックがあり、フォン内部に仕込まれた電球によって任意の部分が光る。(劇中での画面の発光描写についてはCGで光らせていた事の方が多かったかもしれない)


③基本プロップその2。こちらは変身後に使用していた、フォンを折り曲げて変形させた銃モード「フォンブラスター」の固定モデル。銃としての印象を強くするためかアンテナが通常のプロップよりも太く、やや長い。フォンの上部もそれに応じて面長になっており、フォン下部も銃のグリップのように緩急のついた造形に変更されている。


《玩具版》
DX玩具は基本プロップよりもひと回り小さく、旧CS版は差別化の為にDX玩具版よりひと回り大きく作られている。
両者共にフォンブラスターモードで発砲する毎にアンテナが赤く発光するギミックがある為、アンテナは銀色ではなくスモーククリアのパーツである。CSM版ではアルミ素材で銀のアンテナを再現しているようだが、発光ギミックは健在のようだ。

本体の発光ギミックとしてもうひとつ、アンテナの他にもフォン上部の左右が赤く光るが、この部分は劇中の変身シーンでは一切光っていなかった(と思う)。恐らく玩具としての演出だろう。夜間発光スーツでは光っていたと思う。CSM版で発光するかは現時点では不明である。

テンキー上のスマートブレインロゴは造形が入っており銀色。①のフォンに準拠する。

フォンの最上部と最下部にそれぞれ折り畳み固定用の出っ張りと穴があるが、こちらは玩具独自のもので、劇中ではこの折り畳み固定部はなく普通の携帯電話のように受話部・マイク部としてスピーカーのような造形が施されている。

ちなみに、玩具版のファイズフォンが撮影で使用されていたのは前述の通りだが、撮影用の改造も施されず玩具そのままの状態で使用された事もあった(第7話のAパート序盤など)。

▼劇中では入力コードに合わせて画面の各項目が発光する描写がなされていたが、玩具版では未実装であった。だが、CSM版では待望の画面発光ギミックが追加が発表された。劇中と同じくそれぞれの入力コードに反応して『555 ENTER』などの各項目が光るようだ。

更に、CSM版では新たなるギミックとして無線機能が追加されるとの事だ。詳しくは下部の「(4)ファイズポインターファイズショット」にて触れる。
音声ギミックにも追加があるようで、こちらは2016年5月20日にプレミアムバンダイの受注ページにて追加仕様の詳細が発表されるようだが、これは【後編】の記事で触れる事にする。



▼(3)ファイズドライバー

いわゆる「変身ベルト」。ファイズフォンをドライバー中心部にインサートする事により仮面ライダーファイズへの変身が可能となる。両サイドバックルへ各種派生ギアを装備できる。


《劇中プロップ》
①ギアボックスに収められているタイプ。
シーン毎のカット割りで勘違いしがちだが、このタイプは恐らく腰に装着できないと思われる。と言うのも、劇中で使われているギアボックスは市販のものが使用されており上部が丸々ドライバーを収めるスペースになっているのだが、その厚さはかなり薄い。そのため、両側のベルト部が折り重なり一枚の板のようになっている。「ケースに収まっている状態」〜「ケースから取り出す」までのシーンを再現するための固定モデルと云うワケだ。劇中でこのタイプのドライバーをケースから外し単体で持っていた描写も存在するが、とても腰に装着できるように作られているようには見えない。

余談だが、劇中モデルのギアボックスに玩具版のファイズドライバーを収めると経年劣化と共にベルト部が割れてしまう事案がいくつもファンの間で報告されている。CS版は革のベルトにウエストに合わせた数の蛇腹パーツを装着する形で対応しているが、これもギアボックスからすぐに取り出して変身遊びーーーというワケにはいかないだろう。なんせ革である。CSM版の素材は新規の軟質素材(?)のようだが、これからギアボックスに収めようと考えている方はアジャスターごと外して保管していた方が吉かもしれない。収納方法にもよるが、劇中通りにベルト部を曲げて収めるとどのモデルでもいずれ劣化してくると思われる。

②基本プロップ。
これは変身ポーズ以降から変身後に使われるもの。別個体でアクションシーンに使用されているものも恐らく同様だろう。当たり前だが装着可能。第1話で園田真理が装着しているシーンを観る限り、役者が着けるに映えるサイズであるためか相当に大きい。


《玩具版》
DX玩具版、CS版共にファイズフォンのインサ
ート部の縁が銀色に塗られていない。全体の銀塗装部のモールドはスミ入れなし。 

また、ドライバー右上の部分はモールドに水色のラインが2本入っている(設定上は「強制リリーススイッチ」と呼ぶらしい)がこれも玩具版では未塗装。なんとCSM版でも未塗装である。ここはあまり目にしない部分なのである意味拘りの領域とも言えるだろう。(事実、ファンが玩具版にスミ入れを施した写真などが多くネットにアップされているがこの箇所まで塗装を施した例はあまり見られない。あくまで筆者の主観であるが)

バックル部の素材はDX玩具がプラ製、CS版は金属製。後者は発売の際に話題を呼んだ大人用リメイク版変身ベルト玩具の革新的要素のひとつであり、約1kgの重量を誇ると云うのだから驚きだ。前編の記事で触れたように僅かだがデメリットもあるが、やはりその重量感は"本物感"をファンに伝えるために一役買ったに違いない。

両ベルト部は前述の通りDX玩具版が軟質素材、CS版は革製のベルトに蛇腹パーツを個々のウエストに合わせ装着する。劇中に近いのは前者で、後者は大人に合わせたウエスト調節用の策であるがこちらは多少劇中のビジュアルからは遠ざかってしまった。CSM版ではDX版とは異なる軟質素材(?)にアジャスターを通す仕組み。これまでの玩具で一番劇中に近いビジュアルだろう。

CSM版には新たな追加ギミックとして、バックル両サイドの赤い部分がLEDにより発光する。劇中では変身シーンでフォトンブラッドの生成と共に光っているので嬉しい再現だ(なお回によっては光っていない時もあったと記憶している)。こちらも、欲を言うならばそのLEDの光をバックル左右の上下部分まで赤い光を通すようにしてフォトンブラッドか発生する瞬間を再現してほしかったのだが、これも再現しようとするなら実際の設定ではありもしない穴が開く事になるため、まあ仕方ない範囲ではある。




ファイズポインター」は懐中電灯型のガジェット。ミッションメモリーを装填し右足のユニットに装着する事で必殺技「クリムゾンスマッシュ」を放つためのキック用武器となる。
フォンブラスターモードに変形させたファイズフォンに装着する事も可能であるが、この形態を劇中で使用した事は一度もなく、本編の予告編やオープニング映像に映るのみに留まっている。CSM版の受注ページを見る限り再現は出来るようだ。

ファイズショット」はデジタルカメラ型のガジェットで、こちらもミッションメモリーを装填し右手に装着する事で必殺技「グランインパクト」を放つためのパンチ用武器となる。余談だが撮影現場では「デジカメパンチ」と呼ばれていたとか何とか。


《劇中プロップ》
ポインター、ショット共に「ギアボックスに収められている時」までは玩具版が使われているようだ(本編の数カットと関連書籍参考)。

ポインターはサイズやディティール、塗装以外で細かい差異は見受けられないように見える。無論、基本プロップの方が大きい。アクションシーン(サイドバックル装着のまま)とアップの撮影に耐えるギミック用、そして玩具改造版の推定3つが使われていると思われる。


ショットも同じく推定3つのプロップが使われていると思われる。こちらの方は割と差異が顕著に表れている(例えば、中心カメラレンズ部分の周り。劇中プロップでは四角いモールドが彫られているが、ギアボックスに収められている方は玩具改造版なので丸いモールドのまま)


《玩具版》
DX玩具版はライト・サウンドギミックが搭載されているがCS版では削除されている。 

DX版ポインターは先端部分の塗装がメッキ処理されている。CS版では銀塗装。

ショットは多少ではあるが造形の差異が見られ、DX版ではスマートブレインのロゴがやや横に潰れていたりする。CS版では何故かシャッターフラッシュ部分から右横部分に伸びるクリアパーツがスモーククリアに変更されていた。この変更は一部から顰蹙を買ったとも聞く。

また、DX版に付属していたポインター用のレッグホルダーはCS版には未付属。ショット用のケースは両者共に付属しているが、DX版は黒の成型色。

CSM版では上で少しだけ触れたように、新ギミックとして無線機能によるファイズフォンとの連動機能が追加される(!)との事で、こちらも期待したいポイントのひとつだ。



▼以上が筆者の出来る限りの範囲で行った、ファイズギアの劇中プロップと玩具版の徹底比較だ。記事の題名に据えておいて検証と呼ぶには少し違う味の記事になってしまったが、『ファイズ』の劇中において非常に多い種類の小道具が登場している事がお分かり頂けたのではないだろうか。

あくまでも筆者個人の行った検証故、ここに記した項目には事実と多少異なる点も存在するかもしれないが、もしこのブログの読者様の中にご指摘くださる方が居れば是非ともコメント欄で御教授頂ければと思う。

なお、今回はあくまでCSM版にラインナップされている項目からの検証の為、ファイズエッジ・ファイズアクセル・ファイズブラスターは検証項目から省いているがご容赦願いたい。


さて、次回【後編】では「徹底検証ファイズギア」企画のラストとして各ガジェットの音声面に触れる。そしてCSM版の公式ページ情報を元に(大したことではないが)総括を行う。ファイズフォンの追加ギミックが解禁される5月20日以降の更新を予定している。


それでは、後編の記事で。



(当記事には後日、各項目への画像追加を予定しています)